[ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門 著:木村尚義 ] 書評 ~発想を転換させて最短距離でゴールを目指す思考法~

ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門 総評

ロジックを積み上げてゴールを目指す「ロジカルシンキング」ではなく、複数の要素を組み合わせたり発想を転換させることで全く別の方向から答えを出してい行くという「ラテラルシンキング」。

システムエンジニアとしてはロジックの積み上げができる事が最重要スキルなのですが、自分がビジネスを生み出したいと考えたときロジックだけでは独自性・成長性のあるものが思いつかないなと思っていました。そんな僕に必要なのはこの考え方が必要です。

考え方を転換させるための発想法について方向性・パターンを網羅されており大変勉強になりました。

ロジカルシンキングとラテラルシンキング

ロジカルシンキング

理論・経験・知識を元に一つの正解へ向けて考えを深めている思考法です。答えが既に決まっており、より精度を上げた方向性を示すときには最適な考え方で学校教育や会社員の基本思想も原則はロジカルシンキングで行われます。
多くの人が納得できる結論に至る考え方の為、共感を得やすく進めやすい考え方です。


一方、知識に無い事・経験のない事・新しい事を思考する時には発想が広がりにくいという欠点があります。

ラテラルシンキング 

様々な要素を組み合わせたり、視点を変える・考え方を変える事で発想を転換して新たな視点や方向性を見出す思考法。世の中にないものを考える・新しいビジネスを考える・ロジカルに突き詰めても答えが出ない時にアイデアを広げていく思考法です。

但し、それが確実という結論になることは稀なので、思いついたアイデアの精度を上げるにはロジカルに突き詰める必要があります。

ロジカルとラテラルは相互補完

ラテラルにアイデアを思いつき、実行に向けてロジカルに考える。これが考え方としては理想的ですね。

現代社会はロジカルシンキングに寄りすぎて窮屈になっています。
また、ロジカルな思考・行動はテクノロジーの方が得意な為、最終的にコンピュータやロボットに奪われる可能性が高い行動でもあります。そのため、将来的にラテラルシンキングがうまくできる人こそが社会に必要な人となっていく可能性が高いです。

ラテラルシンキングに必要なもの

疑う力

「なぜ?」「本当?」「今はそうでも」と常識とされているものを疑ってみる力。あなたが絶対と思っている常識は世代・国・時代が違えば変わっているかもしれません。

抽象化

これは良く言われることですが「本質を見抜く事」。ドリルが欲しい人はドリル自体が欲しいのではなく穴を空けることが目的・・・という事例で良く聞く話ですね。思考しているものの本質を見抜く為抽象化して考える力。

セレンディピティ

serendipity・・・適当な日本語が無いようですが「偶然を何かに関連付ける力」。いわゆる偶然の産物というものです。それを偶然おきた・たまたまおきたで終わらせず思考を展開する力。

ラテラルシンキングの発想

ラテラルシンキングで考える時、下にあるような考え方で発想を発展させると面白いアイデアが出るかもしれません。テーマが決まっていたらそれを元に上から順に考えてみてください。きっといいアイデアが生まれているはず。

・最小の力で最大の効果を出す
・相手の力を利用する
・要素を組み合わせる
・先を読む
・無駄なものに価値を見出す
・マイナスをプラスに考える

<面白かった事例紹介>

自動改札機
切符読み取りに時間がかかる事への解決策
→改札自体を長くした

・エレベータのボタン
後から乗ると自分が降りたい階のボタンを押せない
→乗り込む前にボタンを付けた

・販促物
受け取ってもらえない
→「おひとり様3部まで」と叫んだ

・事故の多いカーブの道
 →ガードレールを取り外しセンターラインを消した(ドライバーが慎重になり事故が減った)

・ヘンリー・フォード
何が欲しいかを顧客に聞くと「速い馬車」と答えた
→速く移動するというニーズから具体的対策を考え「自動車大量生産」にふみきった

・NASA
宇宙空間ではボールペンが使えない為、莫大な研究費用をかけて宇宙で使えるボールペン開発
→ロシアは鉛筆を使った

・トヨタ生産方式
スーパーの販売形態を見て生産性向上策を思いつく

・アドバルーンの管理
風の強さを考慮して監視が必要。但し、風が弱い時は自由
→時間を使えるバイト。余剰時間に読書をしながらこのバイトをしていたのがリクルート創業者、江副浩正

・サウスウエスト航空
無駄をそぎ落とすことで格安航空チケットを提供し顧客ニーズに答える

・エイビスレンタカー(USA)
あえて業界2位だと宣伝 & No.1が抱える不満を払拭するサービスを実施)
判官贔屓(弱いものを贔屓する思想。日本人は強い)も手伝って業績アップ
※広島出身の人にとっては「2番目に安うて旨い店」でおなじみの戦略です。

・アメリカ・セントルイス万国博覧会
アイスクリームの販売時の容器回収に課題有
→隣で売ってたコーンを容器として活用することで解決(アイスクリームコーンの始まり)

・料理はラテラルシンキング多し
熱くて持てないソーセージをパンにはさんで販売→ホットドッグ
豚汁に面を入れてほしいというリクエストにこたえる→味噌ラーメン

・喫茶店
回転率の悪さの対策
→時間制にする。飲み物以外のサービスも加えて展開→漫画喫茶

・クリスピークリームドーナツ
店舗オープン時に1ダースのドーナツを無料配布
→貰った人が職場や家庭で展開して知名度を一気に上げる

・エジソンの電球発明
電球を普及させることで電気が必要となることを見越して発電所を設立

・スターウォーズ
監督報酬は格安にする代わりそれ以外の作品に関する権利を全権掌握する
→グッズ販売で大きく利益を出し会社「ルーカスフィルム」を立ち上げる原資にした

・さっぽろ雪まつり
捨てられてた雪を使って中学生・高校生が雪像を作る
→のちの「さっぽろ雪まつり」

・タヒチの黒真珠
当初は価値が無かったが、ニューヨーク宝石商で高額販売して価値を高めた
※ユダヤの諺:リンゴはリンゴの採れない土地で売れ

・浅野総一郎
井戸水に砂糖を加え「銘水」として販売
筍の皮を格安で仕入れ菓子・寿司の包装紙として販売
公衆トイレの汲み取り事業を請け負い、それを元に肥料工場を作る
ゴミであったコークス(石炭の燃えカス)を引き受けセメント材料として売る

・阪神電鉄・小林一三
沿線に集客施設を作る(宝塚新温泉→色々あって宝塚劇場へ)
辺鄙な場所へ線路を引く→「都心から離れて静か」「環境の良い土地」と宣伝
できたばかりで乗客が少ない→「すいてて快適な電車」と先天

・夕張市
財政破綻
→破綻の背景を見学するツアー「ゆうばりの昨日、今日、明日」

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