全体
IT関連(SNS,ゲーム)への依存に関して研究・考察された書籍。
SNS、ビデオゲーム、スマホは世に誕生して10年~30年。
まだこれらに対する依存心は芽生え方の片鱗が見えてきた程度で、対策の検討については答えが出ていない状況。
今までは自然と身についていたコミュニケーションスキルがネット・ゲーム依存の影響で育たないまま大人になっている子供たちが増えており、大人もウェアラブル端末やSNSの「いいね」などの数値に踊らされ依存症となっている・・といった内容。
既に中国では社会問題として対策を講じているそうです。(「ウェブ・ジャンキー」というドキュメンタリー映画もあるようです。ちょっと見たい)
これらへの依存症を避ける為、GAFA創設者クラスの方々は子供にタブレット等のデジタル機器は触らせていないという冒頭の話が衝撃でした。
これらインターネットとデジタル機器に対する依存症、大変憂慮すべき事と感じました。ネットやゲームに没入した子供がリアル社会で渡り歩くのに弊害が出て来るというのは、実際そうだろうと思います。
ただ、 個人的に感じたことですが、今後ITがさらに発達した後も既存のスキルがずっと必要であり続けるのでしょうか。
時代とともに必要スキルはアップデートされてきてるので、このようなスキルもそのうちインターネットネイティブの文化にアップデートされていくような気がしています。
とはいえ、現代社会を生きてくためにはリアル社会を渡り歩くスキルはまだまだ必要だとは思います。この転換点はどれぐらい先になるでしょう。そんな転換は訪れないかもしれませんが、10年後には新しい形になってるかもしれません。
そもそも、スマホや現在流行ってるSNS自体が10年ちょっとの歴史しかないわけですからね。
色々と考えさせられる本でした。
キーワード
- 行動嗜癖
「行動」に対して依存している状態(ゲームをする、SNSに投稿する、ウェアラブル端末の通知でパブロフの犬のように動く・・など)
麻薬への依存と対比してこういった表現をされていました - 「好き(love)」と「欲しい(want)」の違い
主に買い物依存症に対する警笛。何が「好き」だからそれが「欲しい」のかを自問すること - 目標という呪い
目標を達成すると次の目標が現れる。達成も失敗もゴールではなく目標に追われる状態 - 予測不能なフィードバック
予定された報酬より予定外の報酬の方が幸福感が増す - ルディックループ
集中力が高い状態(フロー状態)を継続的に維持するループ
一つが完了した後、次の目標が現れすぐに集中できる流れ - 尻ぶつかり効果
お尻がぶつかるほど狭い店内で他人に接触した顧客は購買率が下がる - ツァイガルニク効果
達成した事象より中断した事象の方を強く記憶している - ビンジウォッチング
複数話あるドラマなどを連続視聴。Netflixの連続再生機能の影響が大きい - 転移学習
バーチャルの世界にあるものとリアルの繋がりを理解させる - 抑圧の影響
結局、抑圧することで依存症は解決しない - メールオンホリデー
ドイツのダイムラーの施策。休みの日はメールを受信しない(他担当が代理受信)。いいな、この制度 - ゲーミフィケーション
様々な事をゲームのように楽しめるよう構成する。教育との相性がいい
(システム開発や経営企画の人ならよくご存じの言葉)