管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう[倉貫 義人] 書評

全体

MBOで独立した後、都内のオフィスから全社員フルテレワーク化するまでに試行錯誤された株式会社ソニックガーデン社長の経験談。
全社員の満足度を上げるための社長の努力が垣間見えます。
理想的な組織だと感じますが、企業規模が大きくなってもこの状態を維持できるかは少し疑問です。この点は著者である社長本人も注意深く進めておられるようですね。今後どのようにこの会社が変わっていくかが、管理ゼロ組織の行く末を見る早道でしょう。
テレワーク全盛となったら、
大企業は人員を削減→不足はアウトソーシング→必然的に小規模なアウトソーサーが増加
・・結果的に小さな組織がインターネットを使って繋がっていくという未来になるんじゃないかなと、この本を読んで感じました。

キーワード

  • 作業タスクの分け方
    %でのタスク進捗管理は管理者やタスク別で%の重みが変わるため、確実に測れる1時間以下のレベルまで落としたタスク管理をするべきであるというご指摘。タスク管理をするためのリソースが増えてしまうような気がしますが、そこまですれば管理業務自体の負荷を下げれるから±でプラスであるという解釈をしました。
  • フロー状態の維持
    ようは作業に集中できる状態をどれだけ維持するか。とても大事な事だけど大半の会社・社会人が出来ていない事ですね。この点はこの本をお読みいただいて有効と思われる事例を確認頂きたいです。
  • 会議は事前に議題を確認、会議前に意見を事前共有
    この辺はSNSやチャットでの情報共有がとても有効な気がします。正直、私も会議に出てきて初めて資料を目にしたって人たちの相手するという会議体はどうかと思うので全力賛同
  • 雑談は大事
    これはガッツリとフルテレワークした方じゃないと感じれない事じゃないでしょうか。私も大事なのはわかりますが、ここまで力説するほど重要性を感じてないので興味深かったです。商談などだとアイスブレイクという考えがありますが近い話でしょうか
  • ホラクラシー組織
    管理ゼロでフラットな組織体(まさにこの本のベースとなる考え)をホラクラシーというそうです。初めて知りました。逆に一般的な軍隊的ピラミッド改装組織はヒエラルキーですね。こちらは嫌というほど有名(笑)
    ヒエラルキーには大量のデメリットがあることは多数の方が認める事実かと思いますが、かといって思い切ってホラクラシーに進めることが出来る組織も少ないのが事実でしょう。
    ヒエラルキーのデメリットがホラクラシーだとどのように解決するか、ヒエラルキーのメリットはどのようにカバーするかという話が興味深かったです。

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