全体
10年以上FXで相場を眺めながら各国の政策とその結果を眺めてきて、日本の異常性に強い違和感を感じていました。
この本はそんな僕に一定の答えを出してくれました。
インフレ時と同じ政策の微調整で長期デフレが解決するわけもなく、真逆の政策をしなければいけないという内容は大変説得力があります。
ミクロな家計や企業運営とマクロな政策を同じ考えで進めると「合成の誤謬」を回避できない、という事を有権者としても理解した上で政策を見ていくべきですね。
いろいろな事例をもとに方針の根拠を示されており納得度が物凄く高い話ばかりでした。
が、盲目的に信じ込むのは宗教と同じと著者自身もおっしゃられているので、一般市民としてはこの本の内容自体も一歩引いた立場で認識しておきたいと思います。
キーワード
- 合成の誤謬
ミクロで正しいことでも、マクロで見ると思った結果にならない - 信用貨幣論
貨幣とは信用の指標、数値化であるという考え。 - 現代貨幣論(MMT)
- 誰かの債務は誰かの債権
当たり前だけど見落としがち。マクロで見れば差引0 - 国内民間部門の収支+国内政府部門の収支+海外部門の収支=0
→政府の収支が黒字なら民間もしくは海外は赤字になる - 一般均衡理論・・・セーの法則
需要と供給は均衡するという理論。
あくまで貨幣が無く需要・供給が同時処理される世界なら・・の話 - 比較優位論・・・リカードの法則
関税をかけず自由貿易化すれば得意分野を元に経済が循環し、利益が最大化するという理論(実際は生産物の流動性のみ活性化され、労働力は置き去りになる為、労働市場への悪影響がある)